病院から家に戻っても
私の頭の中は、物凄い速さでグルグルと回っていました。
体は重くなり、立って居られないほどになって
私は階段でうずくまってしまっていました。
歴史上の「わかった!」「わかった!」「わかった!」の
瞬間のイメージが次々と頭の中に浮かびました。
様々な宗教の経典・ピタゴラスの定理・地動説・重力の発見・相対性理論 等々。
歴史の断片が押し寄せるように現れて
めまいの中にいるような感覚でした。
「わかった・・・わかった・・・・わかった・・・・わかった」
私と『賢者』の3人は、すでに繋がっている。夫と母とも繋がった。
私のこの経験と思いを伝えながら
次々と友人や身近な人達とも繋がっていきました。
頭の中で、職場の人達との対話も始まりました。
お互いの立場を理解して、それぞれの考え方を理解して、相手を尊重しながら
誤解や対立の種が一つ一つが、優しく紐解かれていくのを感じました。
私は頭の中で、ずっとしゃべっていました。
「ごめん。ごめんね。だって、今まで解らなかったんだもん。
自分が解ってないということも解ってなかった。
うん。そうなのーっ! あははっ(笑)」
「・・・うん。そうそう。いろいろ難しいのよーっ!
どうしたら良いかなんて、何も思いつかないし。
それに私ってボーッとしてるから、気が付くっていうのが本当に遅くって!(笑)
ごめん。ごめんなさい。うっ、うっ(泣)」
「うん。わかった、わかったから・・・よかった(笑)
これでもう大丈夫だね(泣)」
勤務先の次は、地域の人々との対話。
その次は、関西圏の人々との対話。
「・・・うん。そうそう。ちゃんと『落ち』が無いとダメなんだって!(笑)
それ、すっごく大事なんだって!(笑)
・・・怖いんだって、みんな本当は怖かったんだって!うっ、うっ、うっ~(泣)」
それから、相互理解の輪は日本中を包んで
韓国や中国の人達との対話へ。
「・・・うん。そうそう。ちゃんとここから説明しないといけないんだって。
解ってもらえるように、丁寧に誠実に。
とても時間がかかるけど、大丈夫だって。
ただ信じたら良いんだって!もう出来るよね(笑)」
「うん。わかった、わかったから・・・よかった(笑)
これでもう大丈夫だね。これから、みんな仲良くできるね(泣)」
繰り返す波のように波紋のように輪が広がっていく。
そして、世界中へ。
「ごめん。ごめんね。だって、今まで解らなかったんだもん。
自分が解ってないということも解ってなかった。
うん。そうなのーっ! あははっ(笑)」
「ごめん。ごめんね。やっと解ったの。遅いよね。うっうっ(泣)」
「うん。わかった、わかったから・・・ただ信じればいいんだって(笑)
これでもう大丈夫だね。これから、みんな苦しまなくていいね(泣)」
・・・私は、とてもとても幸せでした。
これは、『幻覚』というものなのか?
『起きたまま見た夢』なのか?
私は・・・全身で笑い、全身で泣くのを繰り返していました。
どのくらい笑い、どのくらい泣いたのか、自分ではよく分かりません。
何時間もの間、私は笑い泣きしていたそうです。
自分では、笑うのと泣くのは半々位だったように思っていましたが
夫によると9割方笑っていたとのこと。
義父がそれを見て「狐憑きだな」と言ったそうです。
夕食後に病院でもらった薬を飲むと
・・・私は電池が切れたように眠りました。