今年の私は、ドキュメンタリー本ブームでした。
「ノンフィクション大賞」をとった本を何冊も読みました。
中でも特に心を揺さぶられた本をご紹介します。
パート ②
■『殺人犯はそこにいる』著:清水 潔
あまりにドラマチックで、これがノンフィクションだということが
衝撃的すぎます。
桶川ストーカー殺人事件の犯人を見つけ警察の怠慢を暴いた経歴を持つ
著者の取材による連続幼女殺人事件の真相です。
冤罪を生み真犯人を野放しにする国家組織の隠蔽体質の変わらなさと
今もおそらく冤罪のまま死刑執行される人がいることに愕然とします。
■『聖なるズー』著:濱野ちひろ
動物性愛者への取材をした本です。
「獣姦」という言葉が浮かびますが、その印象とは全く異なる世界です。
ペットとの関係は相思相愛であり、ペットを傷つけないセックスです。
だから『聖なるズー(聖なるペット・聖なる動物性愛者)』なのです。
マイノリティの性に対してどこまで許容できるのか
動物と人間の関係をどのようにとらえるか、価値観を揺さぶられます。
決して興味本位ではなく、DVサバイバーとして自身の体験に向き合い
誠実に取材をした著者と取材対象者との間には、双方を思いあう心温かい交流があります。
このようなセンシティブな取材は、深い信頼と友情があってこそ可能なものです。
その関係性を持ってしか語れない稀有な奇跡的なと言っても良いドキュメンタリーです。
■『デス・ゾーン 栗城史多のエベレスト劇場』著: 河野 啓
私のドキュメンタリー本ブームのきっかけとなった本です。
対象について深く取材し考察して、誰にも見えなかった対象の実像
を明らかにし、人の在り様にせまる迫真のノンフィクションです。
『聖なるズー』関連でこの本を紹介するのは、どうかとは思うのですが
『恋するMOONDOG』という漫画がとっても面白かったのでおススメです。
トリマーの女性と狼男ならぬドーベルマン男というカップルの話。
登場する犬たちの会話やモブの人の使い方が凄く面白くてコミカルですが
ペットと人間の関係で大切な話も丁寧に描かれていて納得感があり
いろいろな意味でエンタメ作品として素晴らしいです。
私は腐っているオタクなので、普通の男女の恋愛マンガは苦手です。
そんな人にも是非♪
本編は感動のラストで、昨年(2024年)末に完結しています。
私は続編がどうしても読みたくて、30年ぶりに漫画雑誌を購入しました。
紙の雑誌が出ていなくて、電子コミック誌です。…時代ですね。
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