私には、精神疾患の因子がありました。
最初の入院中から、予兆はあったのです。
入院をきっけに、少しづづ精神がおかしくなっていったのだと思います。
私は精神科を退院した後
自分の症状に関連するものをネットや図書館の本でずっと調べて
私なりの結論を出しました。
最初の入院である突発性難聴の治療は、ステロイド剤の点滴投与でした。
そして、ステロイド治療の副作用に、精神症状(ステロイド精神病)がありました。
不眠症、多幸症、うつ状態など、軽度のことが多いが、よくみられる症状とのこと。
私の場合、これが重度の症状として現れたのでしょう。
私自身には精神病の経験がありました。
16歳のころに、何度かひどい幻聴が聞こえた経験があるのです。
高校の通学バスに乗っている間のことでした。
急に後方の席から、複数の男子の大声で、私の悪口が聞こえました。
怒りで体を硬直させる私に、わざと聞こえる大声で、いつまでも悪口が続きました。
私は席から立ち上がり、後方の男子たちへ大声で
「うるさい!やめろ! 人の事いろいろと、バカじゃないの!」
と言いたいのを、じっと拳を握りしめてこらえました。
バスを降り学校に向かって歩く途中、やっといくらかの冷静さを取り戻すと
周りの友人は、何の反応もしていないことに気づきました。
あまりにリアルに聞こえたのですが、友人にそれを確認するまでもなく
あれは 『幻聴』 なのだと自覚しました。
その後も、後ろを歩く女生徒のおしゃべりが、私の悪口に聞こえるようなことが数回ありました。
最初以外は、『また幻聴だ・・・』 と、心を乱されることは無かったのですが
私は、いつか自分が精神病院で生活するようになるのかもしれない
と思うようになりました。
しかし、悪口の幻聴はすぐ無くなって、たまに遠くからの人の声やチャイムなどが
聞こえる程度になり、10年経つ頃にはそれらも無くなっていました。
・・・それが、この入院の5日目から幻聴が始まりました。
私の体は、ある種のストレスに本当に弱いです。
例えば、初めてのアルバイトの朝、ひどい胃痛で床をのたうち回りました。
気心の知れた親戚の店の手伝いで、何の心配もしていませんでした。
心は全く気にしてないのに、体が悲鳴を上げるのです。
社会人になったばかりの頃、会社はのんびりした職場で特に不満も無かったのですが
毎日のように、朝は吐き、夕方になると胃痛がして胃薬を常飲していました。
通勤の車中では運転中に、ユーミンの「卒業写真」や村下孝蔵さんの「初恋」を聞いて
泣きながら大声で歌うのが日課でした。
人間関係で悩んだことは、あまり記憶にありません。
悩んでも仕方ないことは、あきらめると決めています。
表向きはメンタル強いのですが、体の方が弱すぎなんです。
ブラック職場で、頑張っている人からしたら
「なんだそれ?」です。
「その程度で、私はパワハラ受けたとか、モラハラ受けたとか、言うな」
という感じですが
その程度のハラスメントで、精神病むのが私です。
自分の病気については
幻覚や妄想を一時的に伴った躁状態でしたので
『非定型精神病』という病名が一番近いと考えました。
幻覚や妄想だけなら、『統合失調症』 になるのかも知れません。
脳に少しダメージが残りましたが
この 2014年の発症以降の発作・再発はありません。
ちなみにダメージは、ポンコツ失敗の多さでした。
もともと忘れっぽいとか失敗は少なくないのですが
退院後の数年は異常でした。
1年以上療養してから復職したのですが
例えば、毎日の通勤バスで、違う方向のバスに乗ってしまう事が何回もありました。
都会と違って本数は少なく、2方向の路線が間隔を開けて1時間に4本で出ているだけ。
30分に1本のバスに乗り間違えるのです。
それも、乗ってから降りる時刻まで気が付きません。
今はドンマイ程度の失敗になりました。
・・・そういうのってあるよねって、なんとか言える失敗です。
それと、薬を飲まないと夜に眠れません。
極少量の精神安定剤ですが、飲み忘れてしまうと、いつまでも眠れないのです。
幻聴は、まだまれに聞こえます。
ほとんどが、聞いたことの無い音楽です。
実は、その優しいメロディを聴くのが好きです。
私には音楽の素養は無いので、私の中から出てくる音楽なのかと思うと不思議です。
幻聴も含めて精神疾患は、私にとって苦しみではありません。
『神様からのプレゼント』のように感じています。
※多くの精神疾患を持った方々は、大変な苦労をされています。
私は、幸い軽度であり特殊なのだと思います。
スピリチュアル本では「その人生は、自分が選んで生まれて来た」とよく書かれています。
もしも、そうだとしても、世界はあまりに残酷な面があります。
また「この世界が、今変わろうとしている」とも書かれ言います。
私はそれを信じ、全ての人がひどい苦しみから解放されることを祈っています。
※元AV女優 卯月妙子さんの漫画 『人間仮免中』 という本は
著者ご本人の体験を描いたエッセイ漫画です。
あまりに過酷というか苛烈な人生と、発達障害・重度の統合失調症の様子が
描かれています。
時にはユーモアもあり、負けまいとする力強さに、勇気と感動をもらえます。
強いストレスによって、精神疾患の発作が起きることがあります。
その発作の程度によっては、脳にダメージが残り、知能や人格水準が落ちます。
この本で始めて、『人格水準が落ちる』という言葉を知りました。
妙子さんは、病院で「次に大きな発作が起きたら・・・」と注意されます。
本当にギリギリのところで生きているという、その意味に戦慄します。
愛するボビーさんの「生きてくれ」 、お母さまの「生きていてくれて ありがとう」
の言葉が、どんな覚悟と大きな愛にささえられたものかと思うと
胸が熱くなります。
「どうか一日でも長く、ボビーさんとの愛ある生活が続かれますように」と
読者すべての皆さんが、心から願い祈っている。 そういう漫画です。